みらい予想図!vol.15 10月のみなとみらいシリーズ定期演奏会

掲載日:2017年09月07日

みなさんこんにちは!お暑い中、いかがお過ごしでしょうか?夏といえば、お祭り、花火大会、お盆など、家族で過ごすことが多くなる季節ではないでしょうか。もちろん、日本に限らずヨーロッパなどの欧米でも、長期休暇を取って家族と旅行に行くなど、家族と共に過ごす時間が多くなる季節のようです。

さて、今回の「みらい予想図!」は、「家族」をテーマにした10月のみなとみらいシリーズ定期演奏会です。前半でお送りする、武満徹作曲の「系図」は少女の語りとオーケストラの為の作品です。詩と音楽が描き出す音楽的風景は、あたかも、沢山の色で描かれる絵画のような鮮やかさがあります。ホルンのソロを始めとした、各楽器のソロ、特に第6曲「とおく」で奏でられるアコーディオンの音色には注目です。

まるで夏の陽だまりの中にいる様な音楽、そして美しいだけではない、葛藤や、苦悩…。様々な景色、家族模様が感じられる武満徹の世界を、唐田えりかさんの語りと共にお楽しみください。

そして、メインでお送りするのは、R.シュトラウスが作曲をした交響詩「英雄の生涯」。標題にある“英雄”とは、楽曲の内容から作曲家本人を指すと言われていますが、その事に関して作曲家は明言をしていません。

この曲は「英雄」「英雄の敵」「英雄の伴侶」「英雄の戦場」「英雄の業績」「英雄の隠遁と完成」と名付けられた6つの部分から成っています。曲の冒頭に奏でられるのは、力強い“英雄のテーマ”です。このテーマは、全曲を通して様々な楽器が合わさって演奏をされますが、冒頭からの8小節間は、ホルンとチェロにより演奏をされます。ff(フォルテシモ)で演奏されているかの様な勇壮さがありますが、書かれている強弱記号はf(フォルテ)1つ。そこには、英雄の余裕すら感じさせる作曲家による指示があります。“英雄のテーマ”は、冒頭から皆さんを一気に曲に引き込むこと、間違いなしです。

続く、「英雄の伴侶」にはコンサートマスターによるヴァイオリンソロがあり、この部分は一番の聴きどころと言っても良いでしょう。今回の演奏会では、第一コンサートマスター崎谷直人がその大任を務めます。英雄にとっての“伴侶”という、人生における最大の味方と、その愛を得るまでの様々な人間模様を描き出すヴァイオリンの音色に、傾聴していただければと思います。

家族をテーマにした今回の演奏会、一人の英雄の人生、そして語りと音楽で描き出される物語をどうぞお楽しみください。

阿部 未来(神奈川フィル副指揮者)